Japanische Klassiker mit Furigana
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ふじんのかことしょうらいのよき
婦人の過去と将来の予期
小川 未明
Lesen Sie 婦人の過去と将来の予期 (ふじんのかことしょうらいのよき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.788 Zeichen · 4 Bildschirme
このことは、一層、現実生活の幻滅を裏付けた。そして、人間は欲望を離れて生活も存在もあり得ないと言うにあった。無理想を呼号したのも、偶然でなかった。男女関係は欲望の充塞以外にないとも言った。その思想には、人間性の飛躍も、向上も無視した誤謬はあったが、これがために、恋愛至上といった、空想は破れたのである。そして、人間生活を現実的に、実際的に凝視せしむるに至った。
幻滅の悲哀は、人間生活の何の部面にも見出された事実ではあったが、殊に、各自の家庭に、最も、そのことを見出した。恋愛至上主義によって、結婚した男女は、いまや、幻滅の悲哀を感じて、いまゝで美しかったもの愛したものに、限りない憎悪と醜悪とを感じたのである。加うるに、最も自己の欲望を満足することが、意義ある生活だと考えたところから彼等は、家庭を破壊して、新しい愛欲の生活に入ろうとつとめたものもある。
今から、ちょうど九年乃至十年前の日本の社会は、斯の如き、現象が著るしかった。夫を捨て、子供を捨て、自分の好める男と奔った。即ち家出をした女を、殊に、知識階級の家庭に沢山見たのである。
このことは、女の自覚とも見らるれば、また、一面から観察して、無自覚とも見られたのである。