Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
誰が引く袖
四十六
土曜日は正午までで授業が済む――教室を出る娘たちで、照陽女学校は一斉に温室の花を緑の空に開いたよう、溌と麗な日を浴びた色香は、百合よりも芳しく、杜若よりも紫である。
年上の五年級が、最後に静々と出払って、もうこれで忘れた花の一枝もない。四五人がちらほらと、式台へ出かかる中に、妙子が居た。
阿嬢は、就中活溌に、大形の紅入友染の袂の端を、藤色の八ツ口から飜然と掉って、何を急いだか飛下りるように、靴の尖を揃えて、トンと土間へ出た処へ、小使が一人ばたばたと草履穿で急いで来て、
「ああ酒井様。」
と云う。優等生で、この容色であるから、寄宿舎へ出入りの諸商人も知らぬ者は無いのに、別けて馴染の翁様ゆえ、いずれ菖蒲と引き煩らわずに名を呼んだ。
「ははい。」
と振向くと、小使は小腰を屈めて、
「教頭様が少し御用がござります。」
「私に、」
「ちょっとお出で下さりまし。」
「あら、何でしょう、」
と友達も、吃驚したような顔ですと、出口に一人、駒下駄を揃えて一人、一人は日傘を開け掛けて、その辺の辻まで一所に帰る、お定まりの道連が、斉しく三方からお妙の顔を瞻って黙った。