Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
たんだわ。
頭痛がしてならないから、十畳の真中へ一人で寝て見たいの、なんのッて、都合をするのに、貴下は、素通りさえしないじゃありませんか。」
「演劇のようだ。」
と低声で笑うと、
「理想実行よ。」と笑顔で言う。
「どうして渡るんです。」
「まさか橋をかける言種は、貴下、無いもの。」
「だから、渡られますまい。」
「合歓の樹の枝は低くってよ。掴って、お渡んなさいなね。」
「河童じゃあるまいし、」
「ほほほほ、」
と今度は夫人の方が笑い出したが。
「なにしろ、貴下は不実よ。」
「何が不実です。」
「どうかして下さいな。」
――更って――
「妙子さんを。」
「ですから色仕掛けか、と云うんです。」
「あんな恐い顔をして、(と莞爾して。)ほんとうはね、私……自ら欺むいているんだわ。家のために、自分の名誉を犠牲にして、貴下から妙子さんを、兄さんの嫁に貰おう、とそう思ってこちらへ往来をしているの。
でなくって、どうして島山の顔や、母様の顔が見ていられます。第一、乳母にだって面を見られるようよ。それにね、なぜか、誰よりも目の見えない娘が一番恐いわ。母さん、と云って、あの、見えない目で見られると、悚然してよ。