Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
ちゃんと分るよ、五度とは言わない。」
「何も母様に交際うには当らんじゃないか。せめて年増ででもあればだが、もう婆さまだ。」
と横を向いて、微笑んで、机の上の本を見た。何の書だか酒井蔵書の印が見える。真砂町から借用のものであろう。
英吉は、火鉢越に覗きながら、その段は見るでもなく、
「年紀は取ってるけれど、まだ見た処は若いよ。君、婦人会なんぞじゃ、後姿を時々姉と見違えられるさ。
で、何だ、そうやって人を見る明が有るもんだから、婿の選択は残らず母様に任せてあるんだ。取当てるよ。君、内の姉の婿にした医学士なんざ大当りだ。病院の立派になった事を見たまえな。」
「僕なんざ御選択に預れまいか。」
と気を、その書物に取られたか、木に竹を接いだような事を云うと、もっての外真面目に受けて、
「君か、君は何だ、学位は持っちゃおらんけれど、独逸のいけるのは僕が知ってるからね。母様の信用さえ得てくれりゃ、何だ。ええ君、妹たちには、もとより評判が可いんだからね、色男、ははは、」
と他愛なく身体中で笑い、
「だって、どうする。階下に居るのを、」
背後を見返り、
「湯かい。見えなかったようだっけ。