Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
「それなら結構でございますけれど」
「断髪だけれど品がある。何うしても教育のある女だよ」
「幾つぐらい?」
「芳子ぐらいだろうね。器量も好いよ」
「それから何うなさいましたの?」
「俺達が見ているとも知らずに、俊一はステッキを振って大騒ぎをする。娘も駈けるようにして橋を渡る。二人が一緒になって話し始めたところへ、俺と三郎が知らん顔をして通りかゝったのさ。何ということだろうと思ったら、俺は情けなくなった」
「お察し申上げますわ」
「しかし三郎への手前があるから、表面は少しも動じない積りだったが、争われないものさ。通り過ぎると間もなく、足がガクッとして、すんでのことに転ぶところだった」
「まあ!」
「これはいけないと思って、池の端の切株に腰を下した。『逃げましたよ』と三郎が言うから、振り向くと、二人は駈けるようにして行く。何という態だろうと思ったよ。二十八まで手塩にかけた息子じゃないか? それが親を見て逃げ出すんだからね」
と山下さんは沁み/″\言った。
「親不孝な子でございますわ」
「三郎が憤慨するのも無理はない」
「あれが何か申しましたの?」
「後をつけましょうかって目の色を変えていた。