Japanische Klassiker mit Furigana
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こをつれて
子をつれて
葛西 善蔵
Lesen Sie 子をつれて (こをつれて) von 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.970 Zeichen · 34 Bildschirme
「それでね、実は、君に一寸相談を願いたいと思って来たんだがね、どんなもんだろう、どうしても今夜の七時限り引払わないと畳建具を引揚げて家を釘附けにするというんだがね、何とか二三日延期させる方法が無いもんだろうか。僕一人だとまた何でもないんだが、二人の子供をつれて居るんでね……」
しばらくもじ/\した後で、彼は斯う口を切った。
「そりゃ君不可んよ。都合して越して了い給え。結局君の不利益じゃないか。先方だって、まさか、そんな乱暴なことしやしないだろうがね、それは元々の契約というものは、君が万一家賃を払えない場合には造作を取上げるとか家を釘附けにするとかいうことになって居るんではないのだからね、相当の手続を要することなんで、そんな無法なことは出来る訳のものではないがね、併し君、君もそんなことをしとってもつまらんじゃないか。君達はどう考えて居るか知らんがね、今日の時勢というものは、それは恐ろしいことになってるんだからね。いずれの方面で立つとしても、ある点だけは真面目にやっとらんと、一寸のことで飛んでもないことになるぜ。僕も職掌柄いろ/\な実例も見て来てるがね、君もうっかりしとると、そんなことでは君、生存が出来なくなるぜ!」