Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどものじぶんのはなし

子供の時分の話

小川 未明

Lesen Sie 子供の時分の話 (こどものじぶんのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 5.307 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、ただ一筋の細い路が谷の間についていました。

おじいさんについて、どんなところへ連れていかれるのかと心配しながら歩いてゆくと、はや、せみの松林で鳴いている声が聞こえました。日が暮れたら、どうなるのだろうと思うと、もう一足も歩く気になれなかったけれど、路がわからないので逃げ出すこともできなかったのであります。お母さんや、おばあさんが、私をたずねて、心配していなさるだろうと思うと、私は胸がふさがるような気がしました。

「さあ、この峠を越すと、もうじきだ。」と、おじいさんはいいました。

どんなところへゆくのだろうと、私はそればかり思われて、心配でなりませんでした。

やがて峠を越すと、三、四軒の古い粗末な家が建っていました。おじいさんは、その一軒の家に私を連れて入りました。すると、そこには肌ぬぎになって、大男が四、五人で、花がるたをしていました。そして、大きな目をむいて、けんめいにかるたをとっていました。

「こんな子供をつれてきた。」と、おじいさんは、みんなに向かっていいました。けれども、だれも相手にならずに、かるたのほうに気を取られて夢中になっていました。