Japanische Klassiker mit Furigana
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きせつのしょくぶつちょう
季節の植物帳
佐左木 俊郎
Lesen Sie 季節の植物帳 (きせつのしょくぶつちょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.671 Zeichen · 10 Bildschirme
そしてそれは、決して美的な空想ではなしに、私達は奇妙なほど、ひねくれ曲がった梅の樹に、老人のつきまとっているのを見るのです。
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梅の樹の、最も私達の美的情緒を惹くのは、なんといっても、やはりその樹形の節くれだってひねくれているところだと思います。利鎌のような月の出ている葡萄色の空に、一輪二輪と綻びかけている真っ直ぐな枝の、勢いよく伸びているのもいいものです。ですが、その若い枝の根元から、私達は、ひねくれながら横へそれている老木の姿を想い求めずにはいられないのです。
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さらに私達のなつかしむのは、あの古典的な樹皮です。渋い渋い感じの、そして質朴な、あの樹皮です。あの龍のような不格好な老樹が、もし滑々した肌をもっていたら、それはとても見られたものではないでしょう。それに、絵の具をぬたくったようにくっついているあのうめのきごけが、どんなに私達の心を落ち着かし、古典的な感じを与えるか解らないのです。それは、うめのきごけが、樹皮の乾燥している老幹に宿をかりるという、科学的な、又は自然的な関係からばかりでなく、自然の美的情緒を深めるためにも、梅の老樹を灰白色に、或いは茶褐色にぬりつぶしているような気がします。