Japanische Klassiker mit Furigana
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こどくしゃのあい
孤独者の愛
豊島 与志雄
Lesen Sie 孤独者の愛 (こどくしゃのあい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.723 Zeichen · 18 Bildschirme
らしい、と言うより外、私には自分のこともよく分らないのだ。
とにかく、も一度澄江に逢いたい。澄江なしには、私は生きてゆけないかも知れない。素っ裸にされて、打ち震えてる、私自身の姿が見える。
加津美の前は通りかね、遠巻きにぐるぐる歩き廻った。十二時になったら、昼食をたべに来たのだと、ごまかせるだろう。まだ一時間ほども合間があったが、ただ加津美のまわりを歩くことだけで気が安らいだ。
瞬間、私は顔に閃光を受けた感じで、物陰に身を潜めた。澄江なのだ。確かに澄江だ。臙脂色の半コートをき、白足袋の足をさっさっと、わき目もふらず歩いてゆく。なにか一心に思いつめてるらしく、自転車が来てもよけようとしない。
何処へ行くのであろうか。
私はその跡をつけた。なにかに憑かれたような気持ちだ。
電車通りで彼女は立ち止った。電車が来て、彼女はそれに乗った。私は反対側から乗った。あまり込んでいず、彼女に見つかる恐れもあったが、私はもう度胸をきめていた。スプリングの襟を立て、ソフトを目深にかぶり、素知らぬ風を装った。乗換場ではさすがに困ったが、見つからずにすんだ。全然と言ってよいくらい、彼女はわき目をしなかった。