Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こどくしゃのあい

孤独者の愛

豊島 与志雄

Lesen Sie 孤独者の愛 (こどくしゃのあい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.723 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

永田と私は、山西証券会社の謂わば社長秘書で、永田は社長のブレーンの役目をし、私はただ書類をいじってるだけである。証券会社は本来ひどく忙しい所だが、山西では重に現物を主として手堅くやっていたし、金融の方面も特別な関係だけに止めていたので、さほど人の出入りも多くなく、殊に私たちの事務はのんびりしていた。永田は頭の中では忙しかったろうが、私の方はただ機械的に仕事をするだけだった。内気で、無口で、気が利かず、隅っこに引っ込んでばかりいたがる私は、社長や永田から見れば、信用出来る男、とまではいかなくとも、少しも気兼ねのいらない男、或る意味で無視出来る男、と思われていたらしい。だから私は、加津美に来ても、二人の談話には加わらず、一人でぼんやり酒を飲んでおればいいのである。

澄江が男嫌いだということは、私は前から聞いていたし、胸の奥の男心に、ほのかな温かみを呼び起されていた。ひとをそらさぬ女、色っぽく何かと話しかけてくる女は、私にはどうも苦手で、却って逃げだしたくなるのである。

私はひそかに澄江の様子を窺ってみる。眼眸になにか打ち沈んだ病弱らしい影があり、口許に勝気らしい気味合いがある。