Japanische Klassiker mit Furigana
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うちゅうのまいご
宇宙の迷子
海野 十三
Lesen Sie 宇宙の迷子 (うちゅうのまいご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.497 Zeichen · 29 Bildschirme
そこは、もちろん地球と月の中間にある。そこから月までの距離を一とすると、そこから地球までの距離は九ぐらいになる。だから月にたいへん近い。
この重力平衡圏は地球と月との間に、かべのように立っているのだ。しかしそれは平なかべではなく、まがっている。
そこへ流れこんだ物は、宙ぶらりんになってしまって、地球の方へも落ちなければ月の方へも落ちない。そしていつまでも宙ぶらりんの状態がつづく。だから宇宙の墓場といわれる。
それに、大昔からこの重力平衡圏へ流れこんで、宙ぶらりんになっている物が少なくないのである。だからいよいよそれは宇宙の墓場らしく見えてくるのであった。山ノ井は、どんなものが宙ぶらりんになっているかと、目をさらのようにしてテレビの幕面をのぞいている。
すると、一つだけ、見えた。
「なんだろう、あそこにある細長いものは……。いん石にしては長すぎるし、それにいやに形がいいし、へんだなあ」
山ノ井がひとりごとをいったのを、川上のポコちゃんが聞きつけて、なんだ、なんだとそばへよってきた。
「へえっ、とうとう宇宙の墓場へやってきたのかい。それはたいへんだ」
ポコちゃんは、小さい目を鉛筆のおしりのように丸くしておどろいた。