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Japanische Klassiker mit Furigana

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あんごしたん

安吾史譚

坂口 安吾

Lesen Sie 安吾史譚 (あんごしたん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.437 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

そして三千代の希いのように、安宿は太陽の子にお嫁入りした。これが光明皇后である。元正女帝は育てあげた太陽の子、聖武天皇に安宿媛を与えるに当って、これは当家の柱石、無二の忠臣、当家のために白髪となり夜もねむらなかった人の娘だから、ただの女と思わずに大切にするようにという特別な言葉を添えた。

太陽の子は即位して、大仏を造った。そして大仏をつくるとき、天下の富と勢いを保つのは朕だ、と叫んだ。まさに女帝三代の合言葉はそれであったし、その合言葉を生れながらの精気として孕んで育ったのが、彼でもあった。

その大仏は完成した。日本古今随一の、また類を絶し、国の富を傾けた善美結構であった。太陽の子と太陽の娘は、もう老人になっていた。先代の女帝から志し、何十年もかかった大仏だ。年老いた太陽の子と太陽の娘は仲よく並んで大仏に向い立ち、相ともにたずさえ、

「三宝の奴と仕えまつる」

と感きわまって礼拝した。自惚がきわまるとき、人は礼拝の中に優越を見出すものである。

太陽の子たる夫妻は国の富を傾けて大仏を造りあげたが、まったくそれと同じように、全能の光と勢いをつぐ一人の生きた女神を育てあげていた。