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Japanische Klassiker mit Furigana

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あんごこうだん

安吾巷談

坂口 安吾

Lesen Sie 安吾巷談 (あんごこうだん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.128 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

天職を行うには、常にこれぐらいの余裕が必要なものである。セッパつまって徹夜の原稿を書いている私などとは雲泥の差があるようだ。

説教強盗などのように、強盗強姦などゝ刃物三昧や猫ナデ声のミミッチイ悪どさもないし、世帯やつれしたところもない。芸者をつれて豪遊し、それがアリバイを構成し、食後の運動、又、時にはコソ泥式の忍び込みもするところなども通算して一つの風流をなしている。惚れ惚れする武者ぶりだ。どこかバルザックの武者ぶりに似ている。大芸術というものは、これぐらいの武者ブリと綽々たる余裕がないと完成できない性質のものだ。

しかし、ここまでは序の段で、話の本筋はこの後にあるのである。

彼が捕えられて伊東署へ留置されると、芸者、料理屋、置屋などからゴッソリ差入れがあった。ところがこの先生、山とつまれた凄い御馳走には目もくれず、ハンストをやりだしたのである。警察も仕方なく栄養剤の注射をうって、持久戦に入った。

私はわが身の拙さを考えたのである。まず第一に、私が警察につかまっても、芸者や、料理屋や、待合や、置屋などからゴッソリ差入れがあるという見込みがない。第二に、ゴッソリ差入れがあったとしても、それには目もくれずハンストをやるなどというフルマイができるとは信ぜられないからであった。