Japanische Klassiker mit Furigana
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あんじゅうこん
安重根
谷 譲次
Lesen Sie 安重根 (あんじゅうこん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.548 Zeichen · 100 Bildschirme
ところがです、それがいつの間にかこの辺一帯の同志のあいだに拡まってしまって、このごろでは、私が伊藤を殺すことは、まるで既定の事実か何ぞのように言われているのです。
李剛 (冷く)それほど期待されていれば、結構じゃないですか。僕個人としては、前にもたびたび言ったように、この計画には絶対に不賛成なのだが――。
安重根 先生、私も嫌になりました。上っ面な賞讃と激励で玩具にされているような気がして、同志という連中の無責任さに反撥を感じているんです。私はさっき、同志に会いたくない、会うのが恐しくて、今朝ウラジオへ出て来ても一日逃げ隠れていたと言いましたね。国士めかした、重要ぶったやつらの顔が癪なんです。それに、どういうものか私はあの連中に会うと、不思議な圧迫を感じて、是が非でも伊藤を殺さなければならない気持ちにさせられる。それが恐しいのです。(笑って)この私は、皆から、あの一人の人間を殺すためにだけ生れて来たものと頭から決められているんですからねえ。なかには、もう決行したかのように、私を、あなたの言葉でいえば「国民的英雄」扱いして喜んでいる者もあります。何と言っていいか、じつにやりきれない気持ちです。