Japanische Klassiker mit Furigana
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あんじゅうこん
安重根
谷 譲次
Lesen Sie 安重根 (あんじゅうこん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.548 Zeichen · 100 Bildschirme
安重根 (思いついたように)おい、こっそりどこかへ逃げよう。そっして二人で暮らそう!
柳麗玉 (強く)嫌です! こんな意気地のない人とは知らなかったわ。なんなの、伊藤ひとり殺っつけるぐらい――。
安重根 (急き込む)ポグラニチナヤへ引っ返すか、さもなければチタあたりの、朝鮮人の多いところへ紛れ込むんだ。学校にでも勤めて、君一人ぐらい楽に食べさせていけるよ。僕あこれでも小学教員の免状があるんだからな。(懸命に)おい、そうしよう。天下だとか国家だとか、そんなことは人に任せておけばいいじゃないか。おれたちは俺たちきりで、小さく楽しく生活するんだ。自分のことばかり考えて、周囲に自分だけの城を築いて暢気に世の中を送るやつが――思いきってそういうことのできるやつが、結局一番利口なんじゃないかな。
柳麗玉 (起ち上る)ははははは、馬鹿を見たような気がするわ。今に人をあっと言わせる安さんだと思ったから、あたし、こんなことになったんだわ。
安重根 (笑って)冗談だよ。今のは冗談だよ。そんなことほんとにするやつがあるかい。
沈思する。間。
安重根 (苦しそうに)しかし、おれは今まで、一心に伊藤を恨み、伊藤を憎んで生きて来た。