Japanische Klassiker mit Furigana
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きゃくぎらい
客ぎらい
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 客ぎらい (きゃくぎらい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.162 Zeichen · 14 Bildschirme
であると云わなければならない。しかしそれにも拘らず、訪客はかなり沢山ある。戦争中、田舎に疎開していた頃は暫くその難を逃れていたが、京都に家を構えてからは、一日々々と客が殖えるばかりなのである。
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それに私は、近頃老齢に達するにつれて、一層年来の孤立主義を強化してもよい理由を持つようになった。なぜかと云うと、いくら私が交際嫌いであるからと云って、六十何年の間には相当に知人が殖えており、若い時代に比べれば、既に現在でも交際の範囲が非常に廣くなっているのである。若い時代には一人でも多くの人を知り、少しでも多くの世間を覗く必要があるかも知れないが、私の場合は、この先何年生きられるものかも分らないし、大体生きている間にして置こうと思う仕事は、ほゞ豫定が出来ているのである。その仕事の量を考えると、なか/\生きている間には片付きそうもないくらいあるので、私としては自分の餘生を傾けて、それをぽつ/\豫定表に従って片端から成し遂げて行くことが精一杯で、もうこれ以上人を知ったり世間を覗いたりする必要は殆どない。他人に対して願うところはたゞ少しでも豫定の実行を狂わせたり、邪魔したりしてくれないように、と云うことに尽きる。