Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
金の話はとかく親類を気まずくさせた。それに仕事の屈託で、髪も刈らず髭も剃らず、寝起のように憂鬱な三吉の顔を見ると、お倉は言おうと思うことを言い兼ねた。不幸な嫂の話は廻りくどかった。
「畢竟、先方の家では宗さんの世話が出来ないと言うんですか」
こう言って三吉は遮った。
「いえ、そういう訳じゃ無いんですよ」とお倉は寂しそうに微笑みながら、「先方だってもあの通り遊んでいるもんですから、世話をしたいは山々なんです。なにしろ手の要る病人ですからねえ。それに物価はお高く成るばかりですし……」
復た復たお倉の話は横道の方へ外れそうなので、三吉の方では結末を急ごうとした。
「あれだけ有ったら、いきそうなものですがナア」
「そこですよ。もう二円ばかりも月々増して頂かなければ、御世話が出来かねるというんです」
「姉さん、どうです」と三吉は串談のように、「貴方の方で宗さんを引取っては。私の方から毎月の分を進げるとしたら、その方が反って経済じゃ有りませんか」
「真平」とお倉は痩細った身体を震わせた。「宗さんと一緒に住むのは、死んでも御免だ」
傍に聞いているお雪も微笑んだ。
病身な宗蔵は、実の家族から、「最早お目出度く成りそうなもの」