Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
それを眺めていると、仕事、仕事と言って、彼がアクセクしていることは、唯身内の者の為に苦労しているに過ぎないかとも思わせた。
「一寸俺は用達に行って来る。着物を出してくんナ」
三吉は二階から下りて来て、身仕度を始めた。お倉は未だ話し込んでいた。お雪は白足袋の洗濯したのを幾足か取出して見て、
「一二度外へ行って来ると、もうそれは穿かないんですから、幾足あったって堪りませんよ」
こんなことを言って笑いながら、中でも好さそうなのを択って夫に渡した。三吉は無造作に綴合せた糸を切って、縮んだ足袋を無理に自分の足に填めた。
「姉さん」と三吉はコハゼを掛けながら、「満洲の方から御便は有りますか」
「ええ、無事で働いておりますそうです――皆さんにも宜しく申上げるようにッて先頃も手紙が参りました」
「ウマくやってくれると可う御座んすがナア」
「さあ、私もそう思っています」
「まだ家の方へ仕送りをするというところまでいきませんかネ」
「どうして……でも、まあ彼方に親切な方が有りまして、よく見て下さるそうです」
頼りないお倉は「親切な」という言葉に力を入れ入れした。嫂を残して置いて、三吉は家を出た。