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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

これで、君、俊が嫁に行き、鶴が死に……でしょう。これから兄貴がどう盛返すか知らんが――長い歴史のある小泉の家は、先ず事実に於いて、滅びたというものだネ」

しばらく二人は、夕日を眺めて、黙って相対していた。

「正太さん、君なり、僕なり、俊なりは……言わば、まあ旧い家から出た芽のようなものさネ。皆な芽だ。お互に思い思いの新しい家を作って行くんだネ」

「どうかすると、橋本の家は私で終に成るかも知れないぞ」

正太は考深い眼付をした。

「旧い人は駄目だなんて、言ったって……新しい時代の人だって、頼甲斐があるとは言われないネ」

「ナカナカ」

その時、種夫が一生懸命に楼梯につかまってノコノコ階下から上って来た。ヒョッコリ頭を出したので、三吉は子供の方へ起って行った。

「オイ、お雪、危いねえ」と三吉は階下へ聞えるように怒鳴った。

「種ちゃんはもう、ずんずん独りで上るんですもの」とお雪は階下から答えた。

「なんだか危くって仕様がない。早く来て、連れておいで」

「種ちゃんいらッしゃい」

「ア、到頭上って来ちゃった」

と正太も種夫の方を見て笑った。

そのうちに暮れかかって来た。町々の屋根は次第に黄昏時の空気の中へ沈んで行った。