Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

お種は自分の方へ子供を抱寄せるようにして、

「種ちゃん――これが木曾の伯母さんですよ。お前さんの姉さん達は、よくこの伯母さんが抱ッこをしたり、負ぶをしたりしたッけが……」と言って、お仙の方を見て、「お仙や、あのワンワンをここへ持って来て御覧」

お仙は、箪笥の上にある犬の玩具を取出して、種夫に与えた。

「叔父さん、二階の方へいらしって下さい」と正太が先に立って言った。

「そうせまいか。二階で話さまいか」と言って、お種は子供を背中に乗せて、「お仙もいらっしゃい」

「母親さん、危う御座んすよ」と豊世は灯の点いた洋燈を持ちながら、皆なの後から階梯を上った。

二階は、水楼の感じがすると、三吉が来る度に言うところで、隅田川が好く見えた。対岸の町々の灯は美しく水に映じていた。正太に似て背の高いお仙は、縁側の欄に近くいて、母や叔父の話を聞こうとした。この娘の癖で、どうかすると叔父の顔に近く自分の処女らしい顔を寄せて、言い難い喜悦の情を表わそうとした。お仙は二十五六に成るとは見えなかった。ずっと若く見えた。

「どうだネ、お仙、三吉叔父さんにお目に掛ってどんな気がするネ」

と母に言われて、お仙は白い繊細い手を口に宛行いながら、無邪気に笑った。