Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

「叔父さん、風邪を引くといけませんよ――シャツでも進げましょう」と言って、正太は豊世の方を見て、「股引も出して進げな」

「じゃあ、拝借するとしよう」と三吉が言った。

三吉は股引に尻端折。正太もきりりとした服装をして、夏帽子を冠って出た。

「姉さん、お仙ちゃんが帰って来たそうですネ――よかった、よかった。僕は今そこの交番で聞いて来た」

と言って、三吉が飛込んで来た。

「お仙、叔父さんに御礼を言わないか」

とお種に言われて、お仙はすこし顔を紅めながら手を突いた。この無邪気な娘は唯マゴマゴしていた。

「叔父さん、もうすこしで危いところ」と豊世は妹の後に居て、「悪い者に附かれたらしいんですが、好い塩梅に刑事に見つかったんだそうです。今まで警察の方に留めて置かれたんですッて」

そこへ正太も妹の無事を喜びながら入って来た。

「随分心配させられたぜ、もうもうどんなことが有っても、独りでなんぞ屋外へ出されない」と言って、正太は溜息を吐いて、「お仙がもし帰らなかったら、それこそ家のやつを擲殺してくれようかと思った」

「ええ、そこどこじゃない」と豊世は後向に涙を拭いて、「お仙ちゃんが帰らなければ、私はもう死ぬつもりでしたよ……」