Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
と三吉は言ってみた。
お仙は言葉を続けて、「煙草を服まないかッて、その人が私にくれた。私は一服しか貰って服まなかった。夫婦に成れなんて言ったぞなし――ええ、ええ、そんな馬鹿なことを」
「よかった、よかった――夫婦なぞに成らなくって、よかった」
こうお種が言ったので、皆な笑った。お仙も一緒に成って笑い転げた。
「皆な二階へ行って休むことにしましょう。正太も仕事のある人だから、すこし休むが可い――さアさ、皆な行って寝ましょう」
とお種は先に立って行った。
「皆様の御床はもう展べて御座います」と老婆も言葉を添えた。
一同は二階へ上って寝る仕度をした。三吉は寝られなかった。彼は一旦入った臥床から復た這出して、蚊帳の外で煙草を燻し始めた。お仙も眠れないと見えて起きて来た。豊世も起きて来た。三人は縁側のところへ煙草盆を持出した。しまいには、お種も我慢が仕切れなく成ったと見え、白い寝衣のまま蚊帳の内から出て来た。
「正太さんはよく寝ましたネ」と三吉は蚊帳の外から覗いて見る。
「これ、そうっとして置くが可い。明日は大分多忙しい人だそうだから――」とお種は声を低くして言った。