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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

多分、あの店は、一旦閉めて、更に広田というものの名義で小さく始めることに成るでしょう。私なぞは、今までの行き掛り上、相談には乗ってやっていますが、殆んど手を引いたようなものです」

すべての劃策は水泡に帰した、と正太は歎息した。彼は仲買人として、別に立つ方法を講じなければ成らない、とも言った。

「榊君はどうしたろう」と三吉は思出したように。

「あの人も失敗して、郷里へ帰ったきりです。再挙を計る心は無さそうです」

こんな話をしていると、階下では娘達の笑声が起った。二人は一緒に階梯を下りた。お俊、お延、お絹を始め、お雪が末の妹のお幾も集って来た。娘達の中には、縁先に来て、涼しそうな鳴海絞を着た種夫や新吉に、金魚を見せているものも有った。

「お雪、皆なで写真を撮ろうじゃないか。お前達は子供を連れて先に写してお出。俺は正太さんと二人で写す」

と三吉は妻を呼んで言った。お雪は嬉しそうに微笑んだ。往来にはゾロゾロ人の通る足音がした。

夕方から、表の木戸を開けはらって、風通しの好い簾の影で、一同揃って冷麦を食った。

「世が世なら、伝馬の一艘も買切って押出すのにナア」

と正太は白い扇子をバチバチ言わせながら、叔父と一緒に門の外へ出て見た。