Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
一体、何の為に達雄が家出をしたと思う、そんなことを言出した。
「三吉、貴様は……何か俺の遣方が悪くて、それで、家がこう成ったと言うのか……何か……」
お種は尖った神経に触られたような様子して、むっくと身を起した。電燈の光を浴びながら激しく震えた。これ程女の節を立て通した自分に、何処に非難がある、と彼女の鋭い眼付が言った。どうかすると、弟まで彼女の敵に見えるかのように。
「姉さん、姉さん、そう貴方のように――他の言うことをよく聞きもしないうちから――何故そんなに思い詰めて了うんです。もっと静かな心で考えられませんか」
こんな風に、三吉の方でも半ば身を起して、言って見た。お種は直に話を別の方へ持って行った。興奮のあまり、彼女はよく語れなかった。
「でも、何でしょう。達雄さんだっても、まかり間違えば赤い着物を着なくちゃ成らなかったんでしょう」
「それサ……むむ、それサ……赤い着物を着せたくないばっかりに……」
「でしょう。その為に皆な苦心して、漸く今日まで漕付けた。正太さんのことなぞを考えて御覧なさい。ウッカリしていられるような時じゃありませんぜ」
「むむ、解った、解った。