Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
「丁度十一年――」と豊世も過去ったことを思出したように。
「して見ると僕等よりは一年後でしたかねえ」
「たしか、橋本の番頭さんが薬を負って吾家へ被入って、あの時豊世さんのお嫁さんに被入しったことを伺いましたっけ」とお雪も言葉を添える。
「そうでしたねえ、あの時叔母さんからも御手紙なぞを頂きましたっけねえ」と豊世が言った。「真実に楽しいと思ったのは、結婚して一年ばかりの間でしたよ……それからもう家の内がゴタゴタゴタゴタし出して……母親さんは臥たり起きたりするように御成んなさる……そのうちにあの騒ぎでしょう」
お雪も微かな溜息を吐いた。
「何しろ、正太さんと私とは縁故の深い訳ですネ――」と三吉は話を引取った。「私達二人は小学校時代から一緒でしたからネ。尤も級は違いましたが。私が八つばかりの時に東京へ修業に出される……あの頃は土耳古形のような帽子が流行って、正太さんも房の垂下ったのを冠ったものでサ……あんな時分から一緒なんですからね」
「旧い、旧い御馴染」と豊世は受けて、「叔父さんが仙台に被入しった時分、宅のことで書いて寄して下すった手紙が、昨年でしたか出て参りましたっけ。