Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
「正太さん、君の一生を書いて見ようかネ――何だか書いて置きたいような気もするネ」
「何卒、叔父さん、御書きなすって下さい――是非御書きなすって下さい――好かれ、悪しかれ――」
正太は微かな笑を口元に浮べながら、力を入れて答えた。
こうして正太と二人ぎりで居ることは、病院に来ては得難い機会であった。豊世は濯ぎ物か何かに出て居なかった。幸作も見えなかった。その時、三吉は向島の言伝を齎そうとして、電話で聞かせたことを話しかけた。お種が廊下の方から入って来た。
「姉さん、一寸彼方へ行ってて下さい。すこし私は正太さんに話したいことが有る」
と三吉に言われて、姉は笑いながら出て行った。
「しばらく私の方へは便りが有りません……」と正太は向島親子が病んでいることを叔父から聞いた後で、言った。「この春あたりまでは文通もしましたが、それからはサッパリ手紙も来なく成りました……」
「駒形にあった額が三枚僕の家へ来てる。いずれ僕が東京へ帰ったら、あの中をどれか一枚、君の記念として送りましょう」
「何卒、宜しく……」
正太は意外な音信を聞いたという顔付で話した。
何気なく三吉は廊下の方へ出て見た。