Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
とはいえ、彼はなるべく静かに、解り易く読もうとした。
お雪は耳をてた。
「甚だ唐突ながら一筆申上候……かねてより御噂さ、蔭乍ら承り居り候。さて、未だ御目にかからずとは申しながら腹蔵なく思うところを書き記し候。此手紙、決して悪しき心を持ちて申上ぐるには候わず。何卒々々心静かに御覧下されたく候……」
お雪は鋭く夫の顔を眺めて、復た耳を澄ました。
「実は、君より妻へ宛てたる御書面、また妻より君へ宛てたる手紙、不図したることより生の目に触れ、一方には君の御境遇をも審にし、一方には……妻の心情をも酌取りし次第に候……」
お雪は耳の根元までも紅く成った。まだ世帯慣れない手で顔を掩うようにして、机に倚凭りながら聞いた。
「斯く申す生こそは幾多の辛酸にも遭遇しいささか人の情を知り申し候……されば世にありふれたる卑しき行のように一概に君の涙を退くるものとのみ思召さば、そは未だ生を知らざるにて候……否……否……」
どうかすると三吉の声は沈み震えて、お雪によく聞取れないことがあった。
「斯く君の悲哀を汲み、お雪の心情をも察するに、添い遂げらるる縁とも思われねば、一旦は結びたる夫婦の契を解き、今迄を悲しき夢とあきらめ、せめては是世に君とお雪と及ばず乍ら自身媒妁の労を執って、改めて君に娶せんものと決心致し、昨夜、一昨夜、殆ど眠らずして其