Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

お房の発熱は、大人の病気と違って、さまざまなことを夫婦に考えさせた。その夜は二人とも、熱臭い子供の枕許に集って、一晩中寝ずにも看護をしようとした。やがてお房は熟睡した。熱もそうタイしたことでは無いらしかった。三吉はお房の寝顔を眺めていたが、そのうちに疲労が出て、眠くなった。

何時の間にか三吉は時と場所の区別も無いような世界の中に居た。そこには、唯恐しさがあった。無智な子供のような恐しさがあった……見ると病室だ。出たり入ったりしているのは医者らしい人達だ。寝台の上に横たわっている婦人は曾根だ。曾根は三吉に蒼ざめた手を出して見せて、自分の病気はここに在ると言う。人差指には小さい穴が二つ開いている。痛そうに血が浸染んでいる。医者が来て、その穴へU字形の針金を填めると、そんな酷いことをしてどうすると叫びながら、病人は子供のように泣いた……

三吉はすこし正気に復った。未だ彼は曾根の病床に附いていて、看護を怠らないような気がしていた……ふと眼が覚めた。気がついてみると、三吉は自分の細君の側に居た。

このお房の発熱は一晩若い親達を驚かしたばかりで、彼女は直に壮健そうな、好く笑う子供に復った。