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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

そんな手紙が待つとは知らずに、彼女は帰京を急ぐのであった。

到頭、三吉も譲歩した。家の解散も見合せることにしたと言出した。それを聞いて、お雪はホッと息を吐いた。直樹も漸く安心したという顔付で、三吉が自分の意見を容れたことを喜んだ。

「姉さん、浅間の話でもしましょう」

と直樹は勇ましそうに笑ながら言った。その時に成って、三吉も登山の話をする気に成った。「一度行かない馬鹿、二度行く馬鹿」と土地の人のよく言うことなどを持出した。そして、世帯を持つからその日までのことを考えてみて、今更のように家の内を歩いてみた。

直樹の出発はそれから間もなくで有った。この青年が中学の制服を着けて、例の浅間土産を手に提げて、名残惜しそうに別れを告げて行く朝は、三吉も学校通いの風呂敷包を小脇に擁えながら、一緒に家を出た。

「直樹さん。左様なら」

とお雪は子供を抱いて、門口のところまで出て見送った。

停車場で直樹に別れた三吉は、直ぐその足で軌路の側を通って、学校へ廻った。日課を終った後、三吉は家の方へ帰ろうとして、復た鉄道の踏切を越した。その時は城門の前を横に切れて、線路番人の番小屋のある桑畠のところへ出た。