Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
次第に子供も大きく成った。家には十五ばかりに成る百姓の娘も雇入れてあった。年寄の居ない三吉の家では、夫婦して子供を育てるということすら容易でなかった。
丁度三吉は学校の用向を帯びて出京した留守で、家では皆な主人の帰りを待侘びていた。
「今晩は」
こう声を掛けて、近所の娘達が入って来た。この娘達は、夕飯の終る頃から手習の草紙を抱えて、お雪のところへ通って来るように成ったのである。
「何卒、お上んなさいまし」とお雪は入口の庭の方へ子供を向けて、自分も一緒に蹲踞みながら言った。
「まあ、房ちゃんの肥っていなさること」と娘の一人が言った。
他の娘も笑いながら、「房ちゃん、シイコが出ますかネ」
お房は半分眠っていた。お雪は子供の両足を持添えて、「シ――」とさせて、やがて自分の部屋の方へ連れて行った。
子供の寝床は敷いてあった。お雪が寝衣を着更えさせていると、そこへ下婢は線香の粉にしたのを紙に包んで持って来た。お房は股擦がして、それが傷そうに爛れている。お雪は線香の粉をなすって、襁褓を宛てて、それから人形でも縛るようにお房の足を縛った。
お雪が横に成って子供を寝かしつけている間に、近所の娘達は洋燈の周囲へ集った。