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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

と三吉は旅の鞄をそこへ取出した。

「父さんが御土産を下さるッて。何でしょうね」とお雪は子供に言って聞かせて、鞄の紐を解きかけた。「まあ、この鞄の重いこと。父さんの荷物は何時でも書籍ばかりだ」

下婢は茶を運んで来た。三吉は乾いた咽喉を霑して、東京にある小泉の家の変化を語り始めた。兄の実が計画していた事業は驚くべき失敗に終ったこと、更に多くの負債を残したこと、銀行の取引が停止されたこと、これに連関して大将の家まで破産の悲運に陥りかけたこと、それから実の家ではある町中の路地のような処へ立退いたことなどを話した。

「姉さんの姉さんで、ホラ、お杉さんという人が有ったろう。あの人も兄貴の家で亡くなった」と三吉は附添した。

「宗さんはどうなさいました」とお雪が聞いた。

「宗さんか。あの人は世話してくれるところが有って、そっちの方へ預けてある。今度は俺は逢わなかった。見舞として菓子だけ置いて来た――なにしろ、お前、兄貴の家では非常な変り方サ。でも兄貴は平気なものだ」

「姉さんも御心配でしょうねえ」

こう夫婦が話し合っていると、お房はそこへ来て茶を飲みたいと迫る。母が飲ませてやると言えば、それでは聞入れなかった。