Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
「一匹居ても、私は身体中ゾクゾクして来る」
こうお種は言って、若い時のような忍耐は無くなったという風で、やがて笑いながら台所の方へ出て行った。
三吉が東京から訪ねて来たことは、達雄に取っても嬉しかった。彼は親身の兄弟というものが無い人で、日頃お種の弟達を実の兄弟のように頼もしく思っている。三吉が来た為に、種々話が出る。話が出れば出るほど、種々な心地が引出される。子に対する達雄の心配も一層深く引出された形である。
平素潜んでいたようなことまで達雄の胸に浮んで来た。先代が亡くなったのは、彼がまだ若かった時のことで。その頃は嘉助同格の支配人が三人も詰切って、それを薬方と称えて、先祖から伝わった仕事は言うに及ばず、経済から、交際まで、一切そういう人達でこの橋本の家を堅めていた。彼もまた、青年の時代には、家の為に束縛されることを潔しとしなかったので、志を抱いて国を出たものである。白髪の老母や妻子を車に載せて、再びこの山の中へ帰って来るまでには、何程の波瀾を経たろう。長い間かかって地盤を築き上げた先祖の事業は彼が半生の努力よりも根深かった。先祖は失意の人の為に好い「隠れ家」