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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

俊も好きですから……」

「そうですとも。ここで止めさせるのは惜しいものだ」とお種が言った。

「私もネ、何を倹約しても斯娘には掛けたいと思いまして……どうして、貴方、この節では母親さんの言うことなぞを聞きやしません。何ぞと言うと私の方がやりこめられる位です」

「教育が違いますからネ」

「ええええ、私共の若い時なぞは、今のように学校が有るじゃなし……」

「鶴は?」とお種はお俊の妹のことを聞いてみた。

「御友達の許へでも遊びに行ったんでしょう」とお俊が答える。

「俊、鶴ちゃんの免状は何処にあったっけねえ。伯母さんにお目に掛けたら……まあ、あの娘も学校が好きでして、試験と言えば賞を頂いて参ります」

こんな話をしながら、お倉は吸付けた長煙管の口を一寸袖で拭いて、款待顔にお種の方へ出した。狭い廂間から射し入る光は、窓の外を明るくした。簾越しに隣の下駄職の労苦する光景も見える。溝の蒸されるにおいもして来る。

母に言付けられて、お俊は次の間に置いてある桐の机の方へ行った。実の使用っていた机だ。その抽匣の中から、最近に来た父の手紙を取出した。

お倉は鼠色の封筒に入った獄中の消息をお種に見せて、声を低くした。