Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
「菊ちゃんが出来て、私が房ちゃんを抱いて寝なければ成らない時分は、一番困りましたネ……どうしても母親でなけりゃ承知しない……寒い晩に、子供は泣通し……こんなに子供を育てるのは厄介なものかしらんと思って、実際私も泣きたい位でした」
「皆なそうして育って来たのだわい」
「よく書生時代には、男が家を持った為にヘコんで了うなんて、そんな意気地の無いことがあるもんか、と思いましたッけが――考えてみると、多くの人がヘコむ訳ですネ」
「お雪さん、貴方は今女中無しか」
「ええ、幸い好いのが見つかったかと思いましたら、養蚕をする間、親の方で帰してくれって」
「どうして、それじゃナカナカ骨が折れる」と言って、お種は家の内を眺め廻して、「しかし、お雪さん、私も御手伝いしますよ。今日からは貴方の家の人と思って下さいよ」
何となくお種は興奮していて、時々自分で制えよう制えようとするらしいところが有る。顔色もいくらか蒼ざめて見える。三吉は姉を休ませたいと思った。
「菊ちゃん、来うや」
こう訛のある、田舎娘らしい調子で言って、お房は妹と一緒に裏の方から入って来た。
「母さん」
お房は垣根の外で呼んだ。