Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
この娘は、髪も未だそう黒くならない年頃で、鬢のあたりは殊に薄かった。毎朝美男葛で梳付けて貰って、それから学校へ行き行きしていた。
「お俊ちゃん、毎晩画を御習いですか」と稲垣はお俊の方を見て、「此頃習ったのを見て、驚いちまいました。どうしてああウマく描けるんでしょう」
「可笑しいんですよ」とお倉も娘の顔を眺めながら、「田舎娘だなんて言われるのが、どの位厭だか知れません――それを言われようものなら、プリプリ怒って了います」
「よくッてよ」とお俊は母の身体を動ぶるようにする。
「私の許の娘もね」と稲垣はそれを言出さずにいられなかった。「お俊ちゃんが画をお習いなさるというから、西洋音楽でも習わせようかと思いまして……ピアノでも……ええ、三味線や踊を仕込むよりもその方が何となく高尚ですから……」
稲垣の話は毎時自分の娘のことに落ちて行った。それがこの人の癖であった。
「どれ程稲垣は娘が可愛いか知れない」と宗蔵は稲垣の出て行った後で言った。「あの男の御世辞と来たら、堪えられないようなことを言うが……しかし、正直な男サ」
宗蔵と三吉との年齢の相違は、三吉と正太との相違であった。