Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
これは、お前、雛妓なぞの穿くような下駄だ」
「だって、『母親さん、これが好い、これが好い』ッて、あの娘が聞かないんですもの」とお倉が言う。
「親が附いて行って……こんなものはダチカン……鈴の音のしないような、塗って無いのが好い。取替えて来い」と実は叱るように言った。
「私も、そうも思ったけれど」とお倉は苦笑しながら。
「母親さん、取替えて来ましょうよ」と娘は母の袂を引いた。
生め、殖せ、小泉の家と共に栄えよ――この喜悦は実が胸に満ち溢れた。彼は時の経つのを待兼ねた。遠方から着いた名倉の母、兄などは、先ず旅舎で待つということで、実と稲垣とは約束の刻限に其方へ向けて家を出た。
丁度、お倉の実の姉のお杉も、手伝いながら来て、掛っている頃であった。このお杉の他に、稲垣の細君もやって来て、二人してお俊の為に晴の衣裳を着せるやら、帯を〆させるやらした。直樹の老祖母さんも紋付を着てやって来た。目出度、目出度、という挨拶は其処にも此処にも取換された。田舎の方から引返して来た三吉は、この人達と一緒に、料理屋を指して出掛けた。日暮に近かった。
一同出て行った後、家に残った人達は散乱った物を片付けるやら、ざッと掃除をするやらした。