Japanische Klassiker mit Furigana
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よせとしばいと
寄席と芝居と
岡本 綺堂
Lesen Sie 寄席と芝居と (よせとしばいと) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.084 Zeichen · 52 Bildschirme
したがって、一部の人からは旧いとも云われたが、その「四谷怪談」の如き、円朝とは又別種の凄味を帯びていた。かの「髪結新三」も柳桜が得意の読み物であった。私は麹町の万長亭で、柳桜の「髪結新三」を聴いたことがあるが、例の鰹の片身を分けるという件りは、芝居とちっとも違わなかった。して見ると、この件りは黙阿弥の創意をまじえず、ほとんど柳桜の口演をそのままに筆記したものらしい。ひとり円朝ばかりでなく、昔の落語家で真打株となるほどの人は、皆このくらいの才能を所有していたのであろう。
私は明治五年に生まれたのであるから、もとより「髪結新三」の初演を知らない。五代目菊五郎の新三を初めて観たのは明治二十六年五月の歌舞伎座である。書きおろしの仲蔵は長兵衛と弥太五郎源七の二タ役を勤めたのであるが、この時は初代左団次が源七を勤め、松助が長兵衛を勤めていた。左団次の源七は不評であったが、松助の家主は仲蔵以来の出来と称せられて、やはり富吉町の新三宅が呼び物となっていた。しかも私は世評の高い割合に、この場を面白いとは感じなかった。先入主の関係があるのかも知れないが、私には高坐で聴いた柳桜の話の方が面白いように思われてならなかった。