Japanische Klassiker mit Furigana
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とらひこのさくひん
寅彦の作品
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 寅彦の作品 (とらひこのさくひん) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.891 Zeichen · 4 Bildschirme
手引の意味で抒情詩人としての寅彦が最もよく現われているものを探せば、まず初期の作品が挙げられよう。少年の日のやるせない哀感を唄った『龍舌蘭』と、若くして逝った可憐な最初の奥さんの追憶『團栗』とは、ともに美しい散文詩である。小学生時代から大学にかけての若き日の追想を、花に托した『花物語』も、これ等に劣らぬ美しい詩である。
中年の胃潰瘍の吐血は、その後の寅彦の生涯を決定したものであるが、『病院の夜明けの物音』『病室の花』『春寒』などに、当時の心境がよく現われている。死の深い淵を覗きながら、詩人の心境はますます冴えて来る。後年になって、この詩情は昇華して、『子猫』『備忘録』『B教授の死』のような形に生長するが、底に流れるものは、若き日の寅彦の悲哀である。
寅彦の西欧的な深い学識と、高い識見とを垣間見るには、初期の作品では、『丸善と三越』『蓄音機』『案内者』などが適当であろう。後年のものは、日本の国への愛情が、かなりはっきりとその裏打をしている。『烏瓜の花と蛾』『北氷洋の氷の破れる音』『天災と国防』などは、愛国者寺田寅彦の筆になるものである。愛国の嫌いな方は、これ等は読まれない方がよい。