Japanische Klassiker mit Furigana
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とみおかせんせい
富岡先生
国木田 独歩
Lesen Sie 富岡先生 (とみおかせんせい) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.282 Zeichen · 31 Bildschirme
富岡先生の何々塾から出て(無論小学校に通いながら漢学を学び)遂に大学まで卒業した者がその頃三名ある、この三人とも梅子嬢は乃公の者と自分で決定ていたらしいことは略世間でも嗅ぎつけていた事実で、これには誰も異議がなく、但し三人の中何人が遂に梅子嬢を連れて東京に帰り得るかと、他所ながら指を啣えて見物している青年も少くはなかった。
法学士大津定二郎が帰省した。彼は三人の一人である。何峠から以西、何川辺までの、何町、何村、字何の何という処々の家の、種々の雑談に一つ新しい興味ある問題が加わった。愈々大津の息子はお梅さんを貰いに帰ったのだろう、甘く行けば後の高山の文さんと長谷川の息子が失望するだろう、何に田舎でこそお梅さんは美人じゃが東京に行けばあの位の女は沢山にありますから後の二人だってお梅さんばかり狙うてもおらんよ、など厄鬼になりて討論する婦人連もあった。
或日の夕暮、一人の若い品の佳い洋服の紳士が富岡先生の家の前えに停止まって、頻りと内の様子を窺ってはもじもじしていたが遂に門を入って玄関先に突立って、
「お頼みします」という声さえ少し顫えていたらしい。
「誰か来たぞ!」