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Japanische Klassiker mit Furigana

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かんちゅうたいがくき

寒中滞岳記

野中 至

Lesen Sie 寒中滞岳記 (かんちゅうたいがくき) von 野中 至 (のなかいたる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.295 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

こともあるなるべし、その結果妻は十一月上旬に至り、甚く逆上し、ために平素往々患うる所の、扁桃腺炎を誘起し、体温上昇し咽喉腫れ塞がりて、湯水も通ずること能わず、病褥に呻吟すること旬余日、僅かに手療治位にて幸に平癒せんとしつつありしが、造化は今の体の弱みに乗じたるものならんか、いわゆる富士山頂の特有とも称すべき、浮腫に冒され、全身次第に腫れて殆んど別人を見るが如き形相となりたり、この浮腫ということは、山頂に於て多少免るる能わざるものなることを、後にこそ知るを得たるなれ、当時は初めてにして、特に医業の門外漢たる予らには、なおさらその原因を極むるに由なく、少からず心を痛めたり、もとよりその辺の用意は一と通り為したりしも、かかる病魔に襲われんとは、全く思い寄らざることなれば、僅かに下剤を用いなどして、一向ら恢復を祈りしも、浮腫容易に減退するに至らず、然るに如何せん、これを平地に報ずる道なく、さればとて猛烈なる吹雪の中を下らんことは、到底一、二人の力を以て為し得べきにあらず、またこれを下山せしめんことは無論当人の本意に非ざるべしなど、これを患者に語る