Japanische Klassiker mit Furigana
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かんえいあいあいがさ
寛永相合傘
林 不忘
Lesen Sie 寛永相合傘 (かんえいあいあいがさ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.530 Zeichen · 15 Bildschirme
お刀拝見の定法である。
これで十郎兵衛がまことの具眼者ならば、刃の模様は五の目か丁子か、逆心があるかないか直刃に足があるかないか、打ちよけや映りなどの有無、においの工合い、全体の恰好なんかで、当らずといえども遠くないところ、さしずめ目下にしてみれば、粟田口か青江か、それともほかの何人かか、がちゃんと言えるはずなんだが、儀式だけは心得ているからけっして二、三度裏表をかえしたり同じ個所を見直したりするような、嫌がられこそはしないものの、早く言えば法どおりに扱かっているだけのことで、この安斎十郎兵衛、じつはいたって眼がきかないときているから、いやはやなんとも心細いかぎりだ。
しかし、藩中に刀剣の鑑定家をもって自他ともに許している寺中甚吾左衛門をことごとに打ち負かしたのは、今日の安斎十郎兵衛である。おまけに、こう斜にかまえて、延べ鏡のような刀身を陽にすかして、ためつすがめつしているようすが、どうも十郎兵衛をこの上ない眼ききのように見せるからたまらない。一同声を呑んで十郎兵衛の言葉を待っている。
ところが十郎兵衛、うんともすんとも言わない。なに、じつは何にも言うことがないので、そのかわり、しきりに人のわるいことを考えている。