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Japanische Klassiker mit Furigana

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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第二巻 (えいがじだい) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 207.099 Zeichen · 419 Bildschirme

Aozora Bunko

その時彼女の髪の毛に著しく白いものが見えて来たのに気がついた。自分の年老いた事を半分自慢らしく半分心細そうに話した。たぶんことしで五十二三歳であったろうと思う。

自分の若かった郷里の思い出の中にまざまざと織り込まれている親しい人たちの現実の存在がだんだんに消えてなくなって行くのはやはりさびしい。たとえ生きていてももう再び会う事があるかどうかもわからず、通り一ぺんの年賀や暑中見舞い以外に交通もない人は、結局は思い出の国の人々であるにもかかわらず、その死のしらせはやはり桐の一葉のさびしさをもつものである。

雑記帳の終わりのページに書き止めてある心覚えの過去帳をあけて見るとごく身近いものだけでも、故人となったものがもう十余人になる。そのうちで半分は自分より年下の者である。これらの人々の追憶をいつかは書いておきたい気がする、しかしそれを一々書けば限りはなく、それを書くという事はつまり自分の生涯の自叙伝を書く事になる。これは容易には思い立てない仕事である。そうしておそらくそれを書き終わるより前に自分自身がまただれかの過去帳中の人になるであろう。

身近い人であればあるほどその追憶の荷はあまりに重くて取り上げようとする筆の運びを鈍らせる。