Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちいさきりょうしん

小さき良心

梶井 基次郎

Lesen Sie 小さき良心 (ちいさきりょうしん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.366 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

俺の顔は青ざめているだろうか。こんな太い桜の杖をついて恐ろしい学生だと思うだろうか。

気持は少しくつろいだ。撲った時のあの顔を一度鏡で写して見て置くんだったと思った。もう顔のかたい線も和んだだろう。泰然としていなければいけない。

京極はすぐだ。○○堂の前。店員の怪しむような眼を睨みかえして油絵を見た。荒いブラッシの使いようである。片眼を半分閉じて見る。右の眼蓋がけいれんする。下品な絵だ。駄目だと思う。

突然自分はぎょっとした。何げなくしかも速かに横を向いてあるいた。急がないように急いで又暗い道へ入った。三人の男が立ち話をしていたんだ。近寄って見る勇気もない。あの中の二人が似ている。

蹴り上げられた心臓が喉も詰りそうに激しく悸つ。臆病だ、弱虫だという声がまた地団太を踏んでいる。

道をつきあたればE子の家になる。Dという友達の恋人の家である。男と女が通り過ぎる。

あの眼鏡屋の時計は十時前だ。活動を出たのが八時半頃で酒場へ行ったのは九時前だった。喧嘩をしてからまだ一時間程しか経たない。何時間も経ったような気がする。

E子は何というわからない女なんだろう。