Japanische Klassiker mit Furigana
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こむらたんさい
小村淡彩
宮本 百合子
Lesen Sie 小村淡彩 (こむらたんさい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.488 Zeichen · 23 Bildschirme
そして、何気なく縁側の雨戸をくりあけ、始めて二人を認めたように、さも不思議そうに、
「おや」
と、低く叫んだ。
「……そこにいらっしゃるのは……駐在所さんじゃあございませんか」
若い駐在は、いしにむっとした一瞥を与えた。いしは、下駄を突かけて、濡れた空地に出た。
「おや……まあ何だろう、誰かと思ったら……おろくさんじゃあないか!――何かいたしましたんでしょうか」
駐在は、その手は食わぬという風にきめつけた。
「わかるだろう、この装を見たら」
ろくは、下駄だけは穿いていたが、帯ひろ前であった。何処からか帰ったところと見え、もちゃもちゃの髪に木の葉が一枚ついていた。いしは当惑した。ぐると思われているらしいのが、彼女には何より迷惑であった。いしは、ろくを怒鳴りつけた。
「いつの間に、何処へ行っていたんだよ! 旦那にお世話までやかして。まさか盗みに行ったんじゃあなかろう、ちゃんと申上げな。お前のおかげで、私までとんだ迷惑をするじゃあないか」
ろくの手を引張りながら、いしは駐在に云った。
「どうも、まことに相すみません、一体この女はねどうも足りないもんでございますから、この間も行方知れずになったりなんぞして……いくら家にいるもんでも、御法に触れるようなことをしたんなら、仕様がございません、充分お調べ下さった方が手前共も証が立っ