Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こいずみやくものかていせいかつ

小泉八雲の家庭生活

萩原 朔太郎

Lesen Sie 小泉八雲の家庭生活 (こいずみやくものかていせいかつ) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.379 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

自分の意志や感情やを、真によく対手に呑み込んでもらうためには、対手が自分の親友知己であり、自分の心持ちや性格やを、充分によく知っているものでない限り百万言を費して無駄になる場合が多い。単に眼を見合すだけで、一切の意味が了解される恋人同士の間には、普通の意味での言葉や会話は、全く必要がないのである。そしてヘルン夫妻の奇妙な会話が、おそらくそういう種類のものであろう。

『人生でいちばん楽しい瞬間は』とゲーテが言ってる。『だれにも解らない二人だけの言葉で、だれにも解らない二人だけの秘密や楽しみやを、愛人同士で語り合っている時である』と。同じ家の中に住んでる家族の者にさえも、ほとんど全く解らない不思議な言葉で、何時間も倦きずに睦じく語り合ってた二人の男女こそ、この世における最も理想的に幸福な夫婦であった。すべての恋する人々は、自分等以外に全く人影のない離れ小島の無人島で、心行くまで二人だけの生活をし、二人だけの会話をしたいと願うのである。そしてヘルン夫妻の生活が、正にそうした通りの理想であった。彼等の愛人同士は、周囲に多くの人々が住んでる環境に居て、しかも無人島に居る二人だけの会話を会話し、二人だけの生活を自由に享楽していたのであった。