Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ろうじゅうのめがね

小笠原壱岐守

佐々木 味津三

Lesen Sie 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.249 Zeichen · 115 Bildschirme

Aozora Bunko

じいじいと怪しく灯ざしが鳴いたかと見るまに、またパッと灯りが消えた。同時に対馬守は再びきっとなって居住いを直すと、騒がずに気配を窺った。

だがやはり音はない。息遣いも剣気も、刺客の迫って来たらしい気配は何一つきこえないのである。

「大無! 大無! また消えおったぞ」

「はっ。只今! 只今! 只今新らしいお灯り持ちまするで厶ります。――重ね重ね奇態で厶りまするな」

「ちと腑におちぬ。油壷予に見せい」

覗いた対馬守の面は、まもなく明るい笑顔に変った。消えた理由も、燃えない仔細も忽ちすべての謎が解けたからである。

「粗忽者共よ喃。みい。油ではないまるで水じゃ。納戸の者共が粗相致して水を差したであろう。取り替えさせい」

「いかさま、油と水とを間違えでもしたげに厶ります。不調法、恐れ入りました。すぐさま取替えまするで厶ります」

「しかし乍ら――」

「はっ」

「叱るでないぞ。いずれも近頃は気が張り切っている様子じゃ。僅かな粗相をも深く耻じて割腹する者が出ぬとも限らぬからな。よいか。決して強く咎めるでないぞ」

「はっ。心得まして厶ります。御諚伝えましたらいずれも感泣致しますることで厶りましょう。