Japanische Klassiker mit Furigana
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
Lesen Sie 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.249 Zeichen · 115 Bildschirme
構わずに座敷の中へおどりあがって、あちらこちら探していたが、お勝手につづいた暗い土間に、うち井戸の縄つるべがさがっていたのをみつけると争うように金丸と飛んでいって、左右の縄へつかまり乍らするすると井戸の中へ身を忍ばせた。
あとからあがって、直人も、まごまごし乍ら探していたがほかにもう身をひそませる場所もなかった。
只一つ目についたのは、隣りの部屋の屏風の向うの寝床だった。
「この辺で消えたぞ」
「この家が臭い!」
「這入れっ、這入れっ」
表の声は、今にも乱入して来そうな気配なのだ。
直人は、せき立てられたように、隣りの部屋へ駈けこんだ。――しかし、同時に、われ知らず足がすくんだ。
寝床は寝床だったが、ふっくらとしたその夜具の中には、旦那のおいで、お待ちかね、と言わぬばかりに、仲よく二つの枕がのぞいていたのである。
ためらい乍ら、まごまごしているのを、突然、女がクスリと笑ったかと思うと、押しこむようにして言った。
「しょうのない人たちだ。二度とこんな厄介かけちゃいけませんよ。――早くお寝なさいまし」
意外なほどにもなまめいた声で言って、咄嗟に気がついたものか、座敷に点々とおちている血の雫の上へ、パッパッと一杯に粉白粉をふりかけておくと、ぺったり長襦袢のまま直人の枕元へ座って、さもさもじれったそうに、白い二の腕を髪