Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ろうじゅうのめがね

小笠原壱岐守

佐々木 味津三

Lesen Sie 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.249 Zeichen · 115 Bildschirme

Aozora Bunko

気取られぬように致せよ」

見附前の通りに、夜なきそばと出ているわびしい灯り行灯を見つけると、三人の足は忍びやかに近づいていった。近づいて這入りでもするかと思われたのに、三人はそこの小蔭に佇むと、遠くから客の在否を窺った。

しかし居ない。

刻限も丁度頃なら、場所も目抜の場所であるのに、客の姿はひとりも見えないのである。暫く佇んで見守っていたが、屋台のあるじが夜寒の不景気を歎くように、悲しく細ぼそと夜啼きそばの叫び声を呼びつづけているばかりで、ついにひとりも客は這入らなかった。

「館!」

「はっ」

「ゆうべはかしこに何人おったか存じておるか」

「おりまする。たしかに両名の姿を見かけました」

「その前はどうであった」

「三人で厶りました」

「夜ごとに目立って客足が減るよう喃。――歎かわしいことじゃ。考えねばならぬ。――参ろうぞ」

忍びやかに、そうして重たげな足どりだった。

牛込御門の前通りにやはり一軒屋台の灯が見える。

三つの影は同じように物蔭へ立ち止まって、遠くから客の容子を窺った。

「どうじゃ。いるか」

「はっ。おりまするが――」

「何人じゃ」

「たったひとりで厶ります」