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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ えんちょう

小説 圓朝

正岡 容

Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

ド、どういたしまして。「何でもねえ」どころじゃない、オドオド小圓太が演りはじめるとたちまち昆布だか糸ッ屑だか分らなくなったし、鱈も饅頭もいっしょくたになってしまった。いわんや骨を抜く仕草においておや。我ながらこの間抜々々した恰好、白痴が虫歯を押さえている手付きにもさながらで、ほとほと自分がいやになってきた。とたんに、

「ダ、駄目だ!」

その師匠の「ダ、駄目だ!」という声のピシーリ烈しい音のしたのとポーッと自分の右手の暖かく痺れてきてしまったのとがいっしょだった。

と見るといつの間に握られていたのだろう師匠の手の二尺指が烈しくブルブル慄えていた。そうして、そうして、自分の右の手の甲がこんなにも堆く、紫いろに腫れ上がってしまっていた。間もなくズキズキ痛みだした、いやその痛いの何のって。

いつ迄もいつ迄もその手の腫れは退かなかった。ばかりか、だんだん腫れ上がってきた、日一日と紫の痣の色濃きを加えてゆくとともに。

もちろん、痛みも烈しく募った。

「どうおしだえ、お前その手を」

とうとう母親の目にとまってしまったくらいだった。

「いいえ、いいえあの何でもないんです」