Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
私は、いや、私はじゃない、すべて愚かなほど一事に精魂傾け尽している人たちには、あらゆるいけない凶いことも、側からどんどん吉いことに変えられていくのだろう、まるで手品師が真っ白なまま函へ入れた粉細工の蓋とればたちまち紅美しき桃の花一輪とは変っているように。
心だにまことの道にかないなば、祈らずとても神や守らん――ほんとうにほんとうだった、この歌のこの心持のほどが。
豁然といま圓朝は心の壁が崩れ落ち、扉が開かれ、行く手遥かに明るく何をか見はるかすの思いがした。いままでとても幾度か幾度か心に黎明はかんじたけれど、あれらをかりそめの町中での夜明け空とするならば、これは比べものにも何にもならない夏草しとど露めきて百花乱るる荒漠千里の大高原に、真ッ裸になって打ち仰ぐ大日輪の光りにも似たるものよとおもわないわけにはゆかなかった。
とても言葉でいいあらわせない感銘だった、感激だった。
ポトリ涙が目のふちへ滲んだ。
と見る間に溢れた。
あとからあとから流れだしてきた。
いつ迄もそれが止まらなかった。
果ては顔中がベトベトになってしまって、尚かつひっきりなしにはふり落ちてくるもののあることが仕方がなかった。